｢けがをしました｣

　昔々、伊藤ゆかりが歌い、私も今回のケガの時ついでに歌った。　♪あなたが噛んだ小指が痛い♪　という歌がありました。しっとりとした色っぽさが、とてもよかったですよね。若いときから好きな女性の小指を噛んでみたいものと憧れておりましたが、未だ自分のつめを噛んだ経験しかありません。
　先日、ボキッ、と小指が折れました。｢イタイ！閉めたらあかん！｣と言っても後の祭です。今まで鍛え方が足りなかったのか自動車のドアの方が私の小指より強かったようです。近くの病院へ飛んで行きました。
　お医者さんが言うには、｢きれいに折れ曲がっていますね。骨を元の位置に戻す時に麻酔しますか？注射の痛さとそのまま治療するのと同じですがどうしますか？｣｢同じやったらこのままでお願いします。｣と軽はずみに私は言ってしまったのです。私より腕の太い看護婦さんが急に出てきてグイッと腕を押さえつけられて治療してもらいました。メチャメチャ痛い思いをしました。治療後、その先生が｢やっぱり痛いか？｣
　後日に大阪に戻って骨をくっつける手術のときに麻酔をしましたが、あのときの医者は、うそつきでした。麻酔の注射は、小さなとげを抜くときでも打つべきです。
　今は、折れた小指に手術で針金をクロス字に入れてもらっております。ですから骨がくっついて針金を抜くまで、私は筋金入りの強い男であります。でも雷がなる時には避雷針をつけているようでビクビクと心配にはなります。
　友人から、｢１ヶ月も針金が入っているとそれに肉が巻き付いて抜くとき痛いでー。｣と聞かされていましたが、来週には馴染んできた針金を抜いてくれるようで、担当のお医者さんが看護婦さんに｢来週、ラジオペンチ用意して下さい。｣と言っているのを聞いて、｢麻酔をしますか？｣と尋ねてみました。｢注射の方が痛いから、そのままで抜きますよ。普通はアッと言う間に抜けるはずですから。｣と言われるのです．．．。『かわいそうな税理士に、愛の手を』
　お見舞いは、傷口の消毒に効果のあるブランデーまたは白のワインを受け付けております。何本も重いと思われる方はご一報いただければすぐに頂きに行きますのでよろしくお願いします。
　　　　　　　　　　　　　　槇　啓一