経理ケイリ部長ブチョウへのアドバイス　その２（金庫キンコ株カブ）
平成14年7月2日
もうすぐシングルと自分ジブンでうわさを流ナガしている、ゴルフ上手の
経理部長が、私の事務所に来られました。
私のゴルフの下手さ加減は、一度ご一緒しただけで
十分ジュウブン理解リカイされたようです。
１0年ほど前に行ったきりで、以来一度もゴルフのお誘いはありません。
きっと下シタ手が感染カンセンすると思っておられるのでしょう。
会議カイギ机ヅクエでお茶チャを飲ノむ合間アイマにも
肩のストレッチを入念ニュウネンにしておられる部長は、
部長ブチョウ　「最近サイキン調子チョウシが悪ワルくて、どうも具合グアイが悪ワルいんですわ。
この間のコンペも９0もたたいてしもて。もう、メチャメチャでしたわ。」
まき　「そら大変タイヘンですな、私ワタシも調子チョウシ悪ワルくて先月センゲツの末スエに７0超コえました。」
部長ブチョウ　「エッ、７０って、、、。」
まき　「ハーフですけど。」
部長ブチョウ　「どうやったらそんなに叩タタきますんや。」
まき　「別ベツに特別トクベツな努力ドリョクはしてないんですけど。」
部長ブチョウ　「体カラダの調子チョウシが悪ワルいかったんですやろ。そんな日ヒは、しょうがないですわな。」
まき　「いや、前日ゼンジツはお酒サケも飲ノまず節制セッセイしたおかげで、練習場レンシュウジョウでは絶好調ゼッコウチョウでしたんや。」
部長ブチョウ　「風カゼがきついとか、大雨オオアメとかゴルフは自然シゼンとの戦タタカいとか言イいますしな。」
まき　「ほとんど無風ムフウで、エエ天気テンキでした。」
部長ブチョウ　「何ナニが原因ゲンインでしたんや？」
まき　「分ワかりませんねん。いつもと違チガうのは、買カいたての帽子ボウシだけで他ホカは何ナニも変カわった
ことしてな いんです。」
部長ブチョウ　「ゴルフボールは、ちゃんと丸マルい形カタチをしてましたか？」
まき　「・・・・・。」
ゴルフの話ハナシを続ツヅけると、私ワタシは何時イツのまにか目線メセンが足元アシモトの方ホウにいって、うつむきがちになります。
私ワタシのようなレベルの人間ニンゲンは、ゴルフ上手な人とゴルフの話ハナシをしてもどうもかみ合アいません。
来られた部長は、もともと経理ケイリ畑バタケの人ヒトではなく、前職ゼンショクは工場コウジョウ長チョウさんでした。
きさくな人柄ヒトガラのおだやかな方カタで、私ワタシとはゴルフの話ハナ以外イガイは良ヨく気キが合アいます。
で、私ワタシの本職ホンショクの話ハナシになりました。
部長　「当社トウシャは、金庫キンコを持モつとかえって泥棒ドロボウに狙ネラわれるので、　金庫をもたないことにしておりますねん。
先々サキザキ代ダイの社長からの方針やそうです。」
まき　「そら会社カイシャの好スきなようにして貰モラったらいいです。税務署ゼイムショも文句モンクを言イいません。」
部長　「いやいや、この前マエの日経ニッケイ新聞シンブンに金庫キンコ株カブ解禁カイキンって載ノってましたやろ。うちの会社カイシャは
株カブを買カい取トっても入イれておく肝心カンジンの金庫キンコがないんですわ。今日キョウはこの金庫キンコ株カブの
相談ですねん。今イマから金庫キンコを買カわないとあきませんやろか？」
まき　「部長ブチョウさん。お宅タクの会社カイシャは元々モトモト株券カブケンを発行ハッコウしてませんよ。まあ、株券カブケンを発行ハッコウしている会社カイシャは、
他ホカの会社カイシャでもめったに有ユウりませんけど。」
部長ブチョウ　「そうしたら、金庫キンコをあわてて買カわなくてもエエんですか？」
まき　「会社カイシャが、自分ジブンの会社カイシャの株式カブシキいわゆる自己ジコ株式カブシキを株主カブヌシさんから買カい取トって、その
ままずっと持モち続ツヅける時トキの自己ジコ株式カブシキのことを金庫キンコ株カブって言イいますねん。」
部長ブチョウ　「株主カブヌシから株カブを買カい取トるために、余分ヨブンなお金カネをつかって何ナニが面白オモシロいんですか。」
まき　「別ベツに面白オモシロくするために商法ショウホウ改正カイセイをした訳ワケやないですよ。上場ジョウジョウ株式カブシキの場合バアイは、銀行ギンコウとか系列ケイレツ会社ガイシャ
どうしで株カブを持モち合アってたけど、最近サイキンはお互タガいに手放テバナし始ハジめて株価カブカが下サがる原因ゲンインの一ヒトつに
なってますやろ。その売ウり出ダされる株カブの受ウけ皿ザラになって株価カブカが下サがるのを防フセぐ、と言イう意味イミも
あるそうですわ。」
部長ブチョウ　「そら、嘘ウソですわ。受ウけ皿ザラにはなってません。
現に私の持ってる株は、みんな下がりましたで。」
まき　「それは単純タンジュンに、部長ブチョウには先サキを見ミる眼メが
なかった、ということですがな。」
部長ブチョウ　「先生センセイに株カブ式シキ投資トウシでバカにされたら、もう終オわりですなー。」
まき　「それ、どう言イう意味イミですか！」
部長ブチョウ　「いやいや、株カブの相場ソウバのことより金庫キンコ株カブのことですけど、内ウチの社長シャチョウが亡ナくなった時トキに
会社カイシャで引ヒき取トることは出来デキますやろか？」
まき　「もちろん引ヒき取トれますし、引ヒき取トった後アトすぐに新アタラしい株主カブヌシを探サガして処分ショブンしなくても
ええんですわ。その代カわりちゃんと定時テイジ株主カブヌシ総会ソウカイで決議ケツギしとかないとあきませんけど。」
部長ブチョウ　「そら大丈夫ダイジョウブです。うちの株主カブヌシは、後アト３割ワリ持モってる社長シャチョウの奥オクさんと１割ワリの息子ムスコさんだけですから。」
まき　「その事コトはそうとして。お宅タクの会社カイシャの株価カブカは、今イマだいぶ低ヒクくなってますから少スコしずつ
奥さんか息子さんへ贈与するのはどうですか？」
部長ブチョウ　「絶対ゼッタイ無理ムリです。社長シャチョウは半分ハンブン以上イジョウの株カブを自分ジブンが持モってるからこそ、奥オクさんに対抗タイコウで
きると思い込んでおられますから。」
まき　「そしたら、部長ブチョウが株カブのことを心配シンパイするのは、社長シャチョウの体カラダの具合グアイが悪ワルくなってきた
からですか？」
部長　「いえいえ、社長シャチョウは80歳過ぎても週に一遍は必ずゴルフコースを回っておられます。
お元気ゲンキですよー。スコアも先生センセイよりエエと思オモいますよ。はっはっはっ。」
まき　「あっ、ちょっとすみません、急用キュウヨウが。」
金庫キンコ株カブの話ハナシからゴルフの話に戻ってきたので、
無理ムリやり急用キュウヨウを思オモい出ダして席セキを立タち、部長ブチョウを
若手の決算ケッサン担当者に任せ会議机から離れました。
早ハヤく趣味シュミの欄ランに「ゴルフ」と書カきたい、と願ネガってもう
１３年たちました。そろそろ「ゴルフ」と書カきたいのですが、
勇気ユウキが出デません。ティーショットがまともに飛トばないので、
ひょっとしてドライバーを買い替えれば良イいかもしれません。
誰か我が家の財務大臣に交渉してもらえないでしょうか。